こんにちは!
まるちゃんです。
このブログを閲覧くださりありがとう!
今回は、国道352を紹介したいと思います。
最初に言っておくけど、この国道は半端ないです。
いや、命を賭して走らねばならぬヤバイ酷道だ!って意味じゃないです。
本当にいろいろな意味で半端ない魅力が詰まってる国道だって意味です。
国道352は新潟県の柏崎市を起点として、福島県を経由し、栃木県の上三川町まで続く総延長331kmにも及ぶ長大国道。
山あり谷あり、海ありめずらしい標識あり、未通区間あり湖あり、市街地あり原発あり!?全てがある国道です。
もちろん、紹介するからには酷な区間があるからなんだけど、一部区間除き全編にガードレール(ロープ)が整備されており、ご家族連れでもどうぞ!でも酷!でも安全!(笑)
もし全編走破して楽しいと感じたなら、立派な酷道マニアだ。
こんな、酷だけど安全で楽しい道ってないと思う。
早速、酷な部分を紹介したいんだけど、まずは終点から起点へ走りはじめてると見える風景を紹介したい。
栃木県の鹿沼市近辺では、青看板に国道の重複、離合の情報が詳細に示されている!
青看板にこの道が国道293と352の重複区間であることを記し、かつ、念押しで側道には重複区間であることを示す2連おにぎりが!なんてことだ!
絶対にこの青看板のデザインを承認した責任者は国道マニアだ。多分、部下は行く先の地名のみ示したデザインを上長に提出したのだが、その時上長は「え!?日光に行く道だってのはこれ見て分かるんだけど、その道は国道何号なの?え?121号?いやいや、それだけ?はぁ?352号と重複してんじゃん!それ記さないと意味ないじゃん!何の為の青看板なの?」
みたいな(笑)
その証拠にこの青看板を見てほしい。そもそも、国道界においては、若い番号の国道がえらいから、この交差点を曲がればそれすなわち国道121でいいんです。国道マニアはそれでは納得いかん!重複してる国道の権利を守れ!とデモをする!
もちろん、冗談。だけど、国道の重複区間に意義を感じる生き物なんですね、国道マニアって。その情報が、この地域は青看板に全開に詳細に、全力で公開されている!
電柱すら情報公開のリソースだとばかりに、国道〇〇〇号へ行くにはこっちへ!と情報開示をしている!
この話をしてるとキリがないので、酷道区間へ(-_-;)
と、思ったんだけど、本当にこの国道は酷な部分以外の魅力がありすぎるので、ちょっとだけ!
日光東照宮由来の日光杉並木!
長大な「ぬりかべ」!
シェッド内での分岐!シェッド区間内での商売!
萱峠の未通区間!
日本海!
原発!
これだけでもあくまで「ちょっと」だけなのがすごい。
先に述べた通り、国道352は全道走破しようと思えば1日ががり。それを紹介するとえらいことになるので、今回はその中でも酷な部分だけ紹介したい。
栃木県と福島県の県境から檜枝岐村を通り新潟県へ、奥只見湖沿いをうねうね走って、クライマックスの枝折峠へ!
勇者の旅立ちはここから。
栃木県から山王トンネルを通って福島県へ。
国道121、352、400の重複区間であることを、3連おにぎりが声高らかに情報公開している。何と素晴らしい風景であろうか。
トンネルを抜ける。3連おにぎりともお別れか、、。涙を拭う勇者。
なんと!福島県に入ってからも3連おにぎりが!福島県側の素晴らしい配慮に、勇者は敬服する。
この3連おにぎり天国は、山王トンネルを抜けてしばらく行くとたどり着く政令指定都市、「道の駅 たじま」直前で終了。最後はチビ3連串刺し団子!
尚、酷道区間においては「道の駅」は政令指定都市だ。電気自動車のチャージャーを含め、(ガソリン以外は)何でもそろう。確か国道352沿いにはもうふたつ道の駅があったはずだが、酷道走行においては、常に前倒しで装備を整えておこう。勇者もここで武器、防具、道具をそろえた。
山と山の間を走るのが気持ちいい。
雲行きが怪しくなる予感がする青看板、、。
重複してきた国道121とお別れ、、。国道は若い番号の方がえらくて、整備も行き届いてる。あくまで、基本的にだが。国道352の起点である栃木県上三川町からここまで国道352を走ってきても、危険な場所はなかった。だが、それはあくまで国道121でという基幹国道の重複区間である国道352であるからだ。その恩恵を受け続けた国道121が右に離れて行ってしまう。
待ってくれ!国道352を置いていかないで!勇者は叫ぶ!
世論調査の結果!
なんと!みんな勝馬に乗るように、右の国道121へ!
赤信号に行列が出来とる。
国道352へ行く為に左折した勇者を待っていたのは、赤点滅信号機。普通の信号機を置くほどの交通量(人気)がないということか、、。
自由といえば自由だが、「いい感じのタイミングで出てってね。気を付けてねー。じゃあね」みたいな、突き放された感がぬぐえない。
今は立派な道だが、いずれ幅員減少し、ガードレール?何それ?状態になるのでは?
勇者は疑念をいだく。
否!「福島県を信じろ!」
勇者は自分に言い聞かす。
山王トンネルを抜けた後の福島県側の対応を鑑みるに、どの国道を走ろうとも福島県は全てのドライバーに、安全安心の道を用意してるはずだ。根拠は乏しいが、、そのはずだ!福島県を信ずるべし!
ちなみに、この時勇者はその酷道を走破し、その酷道に君臨する魔王を倒すのが目的である事をすっかり忘れていた。終点からの道中が快走路すぎて、酷な部分が現れる事にびびってる。致し方あるまい。勇者も人間。快走路が大好きだ。例えば人は、生活レベルを下げるのは難しいものだ。
勇者の信じるココロが通じたのか、その後も素晴らしい風景の快走路が続く。ツーリングには最高だ。政令指定都市「道の駅 番屋」もある。
しかし、これだけ走ってきても福島県と新潟県の県境である檜枝岐村まで全然たどり着かない。いやー、相当走ったよ?だが、121との分岐の直後の青看板には「魚沼まで145km、檜枝岐村まで50km」ってあったな。今更だけど、「マジかよ!?長くね?」勇者は北関東なまりのイントネーションで叫ぶ!
魚沼市は今回紹介してる国道352のあくまで一部分の区間のゴールだ。檜枝岐村はその中の酷道部分の入り口。えー、勇者得意の算数すると、ざっくり酷道部分が95㎞もあるってこと!?
酷道という魔王を討伐するという崇高な使命を抱きここまで来た勇者、実は無計画でここまで来たことが露呈する。えー、そんな長いのかよ!?
やっと青看板から「檜枝岐」が消えた。檜枝岐村までもうすぐってこと。だが、魚沼まで99km、、。二桁なのは多分スーパーの値段みたいに、100kmより99kmの方がドライバーに勇気を与えるはずとの配慮だろう(妄想)。
ついに檜枝岐村まで来た!
福島県側最後の政令指定都市「道の駅 尾瀬檜枝岐」。これから先に食料、飲料補給手段は魚沼までないので、トイレ等含め、万全な体制を整えるべし。
青看板には御池までの距離が示されてる。御池は尾瀬へ向かうマイカー客が車で行ける最終地点。同時に、国道352の酷道部分へ向かう入り口でもある。
橋を渡ると、ようやく酷っぽくなる。今まで道中でモンスター一匹たりとも見かけなかったが、ようやく魔王軍の手先であるキメラやらガーゴイル レベルのモンスターがわらわらあらわれる!
ようやく勇者は政令指定都市で購入した「ドラゴンキラー」と「皮の盾」という、なんともバランスの悪い組み合わせの剣と盾を取り出し、モンスターを駆逐する。
ちなみに、脇に並ぶ「駒止」は酷道においては「ともだち」だ。
御池駐車場。ここからが本格的な酷道区間に入る。
しばらく幅員も狭く、ガードレール設置率もいまいちな区間が続く。マニア的にはそこまでの酷道度ではないけども、酷道走行に慣れてない方は走行注意。1.2車線の幅員しかない部分も多々だけど距離は短い。その前後には必ず離合出来る幅員が用意されてるので、対向車が来た場合は、落ち着いて対処しよう。ただ、対向車は多いので、その点は念頭に置いておこう。
ざっくり言うと、しばらく走るとなんとなく道がまっすぐになるから、そうなれば危険ではない酷道区間に入ると思っていい。
あの山の先に魔王の居城があるに違いない。
福島県から新潟県へ。
今まで素晴らしい道をありがとう!福島県!
そして、これからよろしく!新潟県!
見慣れぬ標識。何を注意喚起しているのか?
ここで「洗い越し」を紹介せぬば、国道352は語れぬので紹介したい。
洗い越しとは、ざっくり言うと道に流れる川!酷道である証。川だから橋をかければ本当はいいんだけど、普段そこまでの水量ではない。通行量も少ないし、、大雨降ったらすごい水量になって車が流される危険があるけど、、そうなればどうせこの道は通行止めになるからさ。橋かける金ももったいないし、このままでいいっしょ!
みたいな感じだろう。
国道352は洗い越しがあるもののかなり整備されている国道だが、一般的に洗い越しがある国道なんて、大抵見放された国道=酷道であることが多い。代表格があの国道157だ。
これが「洗い越し」。
マニアにとってはあれば嬉しい洗い越しだが、あるのが酷道である必要十分条件ではない。だが例えば、横浜家系ラーメンにほうれん草がなかったら?なくてもいいけど、ないとなんとなく納得できない。そんな感じだ。
注意してほしいのは、洗い越しの水の流れる先はガードレールがないことが多い。通行には注意だ。
ついに来た!「極大閃熱呪文 ベギラゴン区間」!
何故勇者は「ベギラゴン区間」などど勇者はぬかすのか?
ここから先の道の線形はとても美しすぎて、とても人が地道に切り拓いた結果とは思えない程美しい。魔王があばれてベギラゴンを打ちまくった結果、山が削れ、道が出来たという言い伝えがあると言っても日本で1人位は同意してくれるはず位の、素晴らしい線形があらわれる!究極攻撃呪文 ベギラゴンでもつかわなきゃ、こんな美しく、直線的な線形の道作れないはずだ。勇者は確信する。
でもね。究極攻撃呪文も使わず、先人達はこんなきれいな線形の道を切り拓いた。
あの線形は広範囲の土砂崩れ?じゃないんです。あの線形はこれから通る道。
改めてこれから通る道の線形。納得だ。すごい。
この国道は奥只見湖沿いをうねうね走るから、こうした「これから走る道、素晴らしい線形」を眺めることが出来て感嘆できるけど、ほとんどの酷道はこういった風に山を地味に削って、削って出来ている。走ってる目の前の風景だけ見てると酷い道だなとかしか思えないけど、本当は全ての酷道は美しい線形を持った感嘆の対象たるべき道。先人達の(あえて言うと地味な)努力の結果切り拓かれた、すごい道なんだと思う。ただ、こうした美しい風景が見えないだけ。美しい線形を持ってるのは、この酷道に限った事ではない。ほとんどの酷道は美しい線形持ちながら、笑われる、酷い道だと。そんな酷道走るのが好き。敬意を持ちながらね。
先述したが、この区間は全編ガードが完備されている。だから酷だけども安全なんだけれども、洗い越しの水の行く先はガードがないことが多い。しかも洗い越しの数が半端ないので、油断だけはしないよう。
銀山平まで19km。えー。勇者はここまで来て文句たらたらだ。
奥只見沿いはジムカーナにも似た感じの線形。登り下り急カーブが連続する酷さは言葉に表せない。それがあと19km!?しかも、銀山平は魔王の最終形態移行ポイント、中間地点にすぎぬ。勇者は青看板の襟をつかみ、抗議するが、残念ながら距離は変わらなかった。
そのウネウネした道を延々走ってると、やはりいた!ロード勇者!
原動機付き車両に乗る勇者ですら、いつまで走ればいいんだ!って思ってるのに、その道をロードで走破しようとは、、。申し訳ない気持ちで追い越す。
ロード勇者を追い越した原動機付き車両に乗る勇者は、先に見える相も変わらず美しい線形を見つつ一服、、「ぐは!」なんとロード勇者に追い越された、、。何という脚力。そのHPとすばやさから見るに、職業は「武道家」に違いない。
奥只見湖が美しい。
もう疲れてきた勇者。グミ沢トンネル!確か以前この道を走った記憶をたどるに、このベギラゴン区間の最終区間だ。
「だらしねえ!」
通行止め告知の看板やら何やらがトンネル内に押し込められている。まるで勇者の部屋と同じではないか。
ついに来た、銀山平!国道352をトレースするにはまっすぐ進んで、魔王最終形態 枝折峠へ。右折すると、新潟県道50号 シルバーラインへ。シルバーラインの魅力は半端なくて、語りたいけどここは我慢。
、、、。語る言葉がない勇者。新潟県が公式にこの先24kmが究極の魔道であることを告知してる。
「もう、やめやめ!」
やけくそになる勇者。暑すぎて、アイドリングもできぬ。ボンネットを開け、一服する勇者。このまま勇者は魔王討伐をあきらめ、世界は闇につつまれたままになってしまうのか?勇者はもうシルバーラインで迂回する気まんまんだ。
そこにモンスター キラービー(蜂)が来襲!ドラゴンキラーを振りかざし応戦する。応戦するうちに勇者は本来の目的を思い出す!幻惑呪文「マヌーサ」を振り払う!負けるものか!いざ!枝折峠へ!
魔王の「おどし」。分かっている。それでも誰かが行かねばならぬのだ。
最終魔道区間においても、美しい線形。
道中はといえば、急稜ではあるが、さながち観光道路と言えなくともないくらい安全安心な道だ。
枝折峠。
本当に美しい線形。
枝折峠から見える景色だが、この景色だけ見たくて来た。
何だっていいよ。素晴らしい道であることには変わりないよ。
気分よく下り始める勇者。エンドロールに違いない。結局魔王は現れなかったが、とにかく倒した事にしてエンドロールへ!
雲行きが怪しくなる。
左下の線形、あれ何?
まさか、下るにはあの道通らないといけないの?はるかはるか下にあるように見えるんだが。まさかだと思うが、枝折峠から見えたあの美しい線形は、あれ?
魔王は真の姿をあらわした!重力という魔力をも超越した強大な力をもって勇者に襲い掛かる!
ちょっと待ってくれ!勇者は魔王に対話を要求する!
左下に下る行く先の線形がやばいって!
急稜な峠は登りより、下りがきつい!それも、下りでアウト側の時!いきなり国道157の温見峠の福井県側への下り区間の画像なんだけど。一番きついのは、下りで自分がアウト側にいる時インで登ってくる対向車がいたら、自分はアウト側に譲るしかないんだけど、サーキットとは訳が違う。自分が気をぬけばそのまま行ってしまうのが峠。イン側で登る分にはどんなに急稜であっても、イン側の山にマージンとってがんばればなんとかなるんだけど、、。
やめてくれ!勇者は必死に対話を求めるが、重力をあやつる魔王は、勇者をまっさかさまに奈落の底へ引きずり込む。数百メートル言った後の、奈落に崩れ落ちてく線形、、。
勇者は下り区間に入ってから1度もアクセルにかかってる右足を動かしてない。1トンもの車両重量をエンジンブレーキとフットブレーキを駆使し、重力に抗い、峠の麓まで行かねばならぬ。
確かにあの線形を登るのはえらいことだが、下るのもえらいことだ。
だから峠って奥深いんだ。
どんだけ走っても、この奈落への線形は終わらない。恐怖の連鎖は終わらない。
勇者は決断する。魔王を倒すのにはベギラゴンを唱えるしかない!
一か八か、目には目を歯には歯をだ。
勇者は全MPを使い「極大閃熱呪文 ベギラゴン」を放つ!
勇者の背水の陣たる最後の攻撃の結果たるやいかに?
ベギラゴンによって、一気に道が開けた!
2車線の高規格道路、そして352の標識は勇者を歓迎している。
魔王は地中深く崩れ落ち、この道の闇が解き放たれた。
エンドロールへ。
フィナーレ。
勇者の帰還。
このブログを閲覧くださりありがとうございました。
最後に。
この道を必死で切り拓いて、踏みしめてきた人達と、この道にアスファルトを敷いてくれた人達。そして、この道に対して、尊崇と感謝の意を表します。
ありがとうございました。