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[国道157号 落ちたら死ぬ区間] 落ちなければどうということはない この言葉に支えられた、、とある家族愛の物語 [岐阜県 福井県の酷道]

酷道マニアあるパパと、超一般人(言い換えればまとも)なママ、そして2人の一人息子であるたけし(7歳)の幸せな家族3人は、連休を利用し福井に観光しに行くことになる。

この物語は、パパが家族の笑顔より自分の趣味を優先したが為に、家族の阿鼻叫喚を引き起こしつつ、家族の絆により見事に福井たどり着く過程を描いた壮大な物語である。

物語はママとたけしが、テレビで越前ガニの特集をやっていたのを見たことから始まる。

越前ガニが食べ放題の店があると聞いた2人は、もう次の連休を使って福井に行こうと盛り上がる。

ちょうどシャワーからあがって体をふいていたパパは、2人の会話を聞き「キラン」と目を輝かせる!そう、、、シャワーからあがって体をふいていたシャアが、ガルマに対して「キラン」と目を輝かせ、あるもくろみを持ち、狙いを定めたように、、、。

パパにはある「もくろみ」ができたようだ。

なお、ガ〇ダムファンであるパパは、自らの行動、言動を原作の描写になぞることに余念がないというのは、確認しておくべき重要ポイントであろう。

 

さて、その後着替えが済んだパパを交えて家族会議が開かれ、次の連休に福井に行くことが決まった。ただ、ここでママが福井までの道のりが連休であるために渋滞に巻き込まれるのではないかと不安を訴える。だが、ここでパパは

「大丈夫だ。問題ない」と言い放つ。

パパはエル シャダイのやり込みゲーマーなのでしばしばこのセリフを放つが、こうした場合は大概「問題がある」結果になることが多いのがすでに統計学的に明らかになっている!

 

このルートを見てくれと、パパは2人にグーグルマップを見せる。

閲覧者の皆様は異口同音に「、、、やめとけ」とおっしゃることだろう。

そう、このルートは「落ちたら死ぬ」区間を有する「キング オブ 酷道」とも称される、酷道界でも最凶の国道157号なのだ!

パパは2人が何も知らないのをいいことに、観光のついでに趣味である酷道走行をしようとしている!

パパは多いに語る。

パパ(酷道マニア)「このルートは岐阜方面から福井に抜けるルートの中でも穴場で、ガードレール完備の完全2車線の高規格道路にもかかわらず交通量が少ないから、ここを通って行こうよ^^」

 

ここで解説しておかねばなるまい。パパの言動は句読点以外全て間違っている!

 

だが、何も知らない2人は安堵し、福井観光の計画を立て始める、、、。一方、パパは「さて、落石や土砂流出、道路陥没等の自然災害由縁の通行止めが発生していないか調べるか、、、」と、安全な道とか言っておきながら不穏な単語を駆使したひとりごとをつぶやいている。

さて、連休に入り家族は福井に向け出発した。

青看板にあるように、「道の駅 うすずみ桜の里 ねお」まで来た。

ここは、国道157を本巣市方面から温見峠を越えるにあたっての最終補給基地となる。

もちろん、道の駅の「ねお」とは、ここの地名である「根尾」に由来する。

ママ「道の駅 「ねお」って面白い名前ね。なんか英語の「NEO」みたい。」

ママはたけしと2人で楽しそうに談笑しているが、ここでパパが急に顔を曇らせる!

パパ(酷道マニア)「ねお?、、、根尾?、、、それだけか、それだけなのか、、、。否!笑止!「ねお」ではない!「ねおのうごう」であろう!」

ママとたけしはキョトンとしている。

一般の方がキョトンとするのも無理はない。ここでパパの言わんとすることを解説せねばなるまい。

パパが言っている「ねおのうごう」とは「根尾能郷」の事である。根尾も根尾能郷もざっくり言うとこの辺の地名なのだが、パパは「根尾能郷」という単語にこだわる!何故なら、この地は国道157の落ちたら死ぬ区間の入り口にあたり、あまたの酷道マニアがここに訪れてきた。そのたびに「根尾能郷以遠大型車通行止め」だの「根尾能郷以遠災害復旧のため通行止め」だの、「根尾能郷~温見峠区間転落事故多発」だの、根尾能郷からがやばいよと言う単語を見続けてきた。酷道マニアにとっては、「ねお」じゃなく「ねおのうごう」じゃないとしっくりこないのだ!

パパ(我に返る)「は!ごめんごめん。そろそろ行こう」

パパは一般人とマニアの間にはおおきな隔たりがある事を理解しているつもりの酷道マニアなので、一応普段から気を付けている(つもり)なのだ。

パパ(酷道マニア)「ほら!みてみて!」

パパは再び走り始めた道中、「根尾能郷以遠大型車通行不能」の看板を見つけて大はしゃぎするが、ママとたけしは後部座席で楽しく談笑している。

かるく仲間はずれにされている。

仲間外れにされてるパパがかわいそうなので、くどいようだがちょっと擁護せねばなるまい。

上のスクショは「根尾能郷」をグーグルマップで検索したものだが、すべての写真が国道157関連となっている、、、。そうゆうことなのだ。

※もちろん根尾能郷は薄墨桜や白山神社などすばらしい観光スポットがあり、誇張表現していることは言っておきます。

 

さて、、、ママは道幅が狭い集落に入り、ふと家族会議のパパの発言を思い出していた。

ママ「ねえパパ、なんかこの道は凄いいい道だとか言ってなかった?なんか狭いんだけど大丈夫?」

ふとパパを見ると、ママは思わず息をのむ!

パパは心なしか髪の毛が逆立っており、道路情報を見つめて「よし、通れる、、、」とつぶやいている。

ママは強烈な不安に襲われる、、、。

道はさらに狭くなり人気もなくなっていく中、パパは急に車を止め看板を見上げる、、、。軽く逆立つ髪の毛が何やらところどころ金色になっている!

ママはさすがに「ねえパパ、やっぱりこの道、、、」と言いかけるが、パパは抗えないオーラを放っている!

閲覧者様に説明する必要もないかもしれないが、ここは大型車にとっての最終転回場。間違ってこのルートに入ってしまった大型車はここで引き返してということ。逆に言えば、この先は転回すらできないよってことだ。

その先のつづら折りを登り切り、パパは再び車を止める。

パパ(酷道マニア)「ねぇ、、、ママ、この写真を見て。」

 

 

ここでパパは、ママに限らずほぼ全ての人類にまったくもって不必要かつ余計な情報をママに与える!

 

ママ「これって、、ここと同じ場所?危険、、、

落ちたら死ぬ!?

ママは仰天してパパを見る!

パパの髪の毛は完全に逆立ち、金色に輝いている!そう、もはやパパはあの優しいパパではない!酷道走行戦闘民族スーパーサ〇ヤ人なのだ!戦闘態勢は整っている!!!

パパ(サイヤ人)「そう!ここには確かに「落ちたら死ぬ」の看板があった。やんぬるかな、、、。看板は撤去されてしまったが、「落ちたら死ぬ区間」は健在!        皆の者!(対象2名)  戦じゃ!命を惜しむな!名を惜しめ!」

 

ママ「えーーー!ちょ、パパ!命惜しむなって!ちょ」

ママはパニックになっているが無理もない!ここはママが正しい!だが、そこで、、

たけし「、、、パパ、頑張って、、、」

さすがパパの息子!将来は孫〇飯ポジションになることは想像に難くない!

パパはたけしを見つめ、かるくうなずくと「まいる!」と叫び、クラッチをつなげる!

一方、ラスボスである157は峩々とした強烈なオーラを発しながら勇者を迎え撃つのであった、、、。

 

 

 

ママ「ぎゃふん」

「ぎゃふんと言わせる」という言葉は聞いたことはあるが、実際に聞いた方は珍しいのではないか。ついにママはパニックのあまりこの禁断のセリフをはなつ!

それに対しパパは禁断のセリフで応答する!

パパ(シャア)「落ちなければどうということはない」

これはパパが正しい。というか、そう思わないと酷道マニアなんてやってらんない。

落ちたらどうなるか、さすがに崖下を覗かずともママにも分かる。

ママ「パパ!こんなガードレールもない道踏み外したら、、、」

パパは士気を鼓舞するかのごとく叫ぶ!

パパ(サイヤ人)「道脇に生える木々、それすなわちガードレール!」

これは正確に言えばパパが間違っているが、パパの気持ちも分かる。酷道マニアは、万が一の時最悪木に引っかかるはず、、、と思い込むことで自らの士気を鼓舞する生き物なのだ!

ここでママに抱きしめられたたけしがふと言葉を発する。

たけし(孫御飯)「ねえパパ?何で落ちたら危ないのにガードレールがないの?」

パパははっとするが答えられない(詳しい事情は知らない)

パパ(弱気)「あっ!えっ!んと、、えっ」

ここまで意気揚々と歩を進めてきたパパがここに来て急に弱気になる!

そう、酷道マニアのパパは十二分に分かっているのだ。酷道走行における最大のハザードは、落石でもなく、ガードレールのない路肩でもなく、対向車であることを、、、。

パパ(酷道マニア)「はぁぁぁぁぁーーー」

パパはここで精神を集中させ、一子相伝の「離合究極奥義」を使うつもりだ!

ここで「離合究極奥義」を軽く解説しておくと、どちらかがバック(出来れば対向車がバックしてくれたら嬉しい)し、離合できる幅が確保出来た瞬間に車体をねじこませるか、もしくはねじこませて、離合する間ひたすら神に祈るといった奥義だ!

名前の割に情けない奥義ではあるが、幅員のない道を離合するには結局これしかないことを酷道マニアであるパパは良く知っている!

今回バックしてくれたのは対向車(パパの場合大抵そう)。

抜けた後の容赦のない路肩をみて、パパは対向車のドライバーに感謝する。

(実際のところ、バックされてる間この対向車のタイヤと脇の路肩見ているとそのきわどさに冷や汗が出ました。申し訳なかった。本当に気を付けてね)

パパ(弱気)「ええい!まだか!まだなのか!」

さっきの離合で、出だしの威勢とはうらはらにすっかり弱気になってしまったパパはいら立ちを隠せない。前に走ったことがあるのだが、走り切るのに必死でゴールまでの距離を覚えてない。

ちなみに画像にある「スピード落とせ」の看板は昔からあるような気がする。ほぼ全ドライバーから「出すか!」とツッコミとヘイトを集めてるに違いない。

画像にある「ぬりかべ」を見て、パパはピーンときた!

あれこそ長年(ほんとに長かった)157が通行止めになってた要因である土砂崩落の復旧現場だ!

パパはゴールが近いことを知り、急に威勢良くなる!

パパ(強気)「皆の者!(対象2名) 敵の総大将は兜を捨てて逃げ出した!勝利は目の前ぞ!我に続くのじゃ!」

パパが2人の様子を確認すると、ママは気絶はしてないものの目がうつろになっている(もう嫌になっている)。たけしは黙ってじっと前の風景を見ている。さわいで盛り上がってるのはパパだけのようだ。

パパは多少家族の中で自分が浮いてることに気づき、軽く心をくじかれながらも、目の前の事に集中せねばと気持ちを入れ替える。

そう、パパは知っている。この先がこの区間最狭の幅員であることを、、、(ガードレールなし)

「道脇に生える木々、それすなわちガードレール!」という言葉は何だったのか。

パパは黙り込み、必死に目の前を凝視しながらハンドルを握っている。

この崖下までの視界を遮ることのない区間は、そう長い区間ではない。見通しも良く、対向車の有無も確認しやすい。必ず対向車の有無を確認してから突入しよう。間違ってもこの区間で離合するはめにならぬよう。

パパ(強気)「勝ち鬨じゃ!勝ち鬨をあげよ!」

「落ちたら死ぬ区間」を走り切ったパパは、またもや車内でひとり大騒ぎしている。

その時、息子たけしはふとパパに疑問を投げかける。

たけし(孫御飯)「ねえ、さっきの落ちたら危ない場所はガードレールなかったのに、何でここは落ちても大丈夫なのにガードレールがあるの?」

パパは我に返るが答えられない、、、。(詳しい事情は知らない)

ついに、黒津ゲート突破!

パパ(総大将)「エイ、エイ、オー!」

パパは一人で勝ち鬨をあげるも、この後ママに相当説教されることになる。

こうゆう一般の方に全く関心もたれないであろう写真を、パパはいちいち降りてパチパチ撮ったりするからママに怒られるのだ。

エピローグへ。

散々パパに説教したママであったが、言った後はさっぱり忘れるタイプなので、その後は仲直りして旅を続けることになる。

ご存じの通り157は「落ちたら死ぬ区間」が全てではない。

みんな大好き「洗い越し」。

紅葉の時期にはどこから湧いてきたのかと言うくらい混雑する温見峠。

温見峠から福井県側は、普通に「落ちたら死ぬ」区間。

温見ストレート。

フィナーレ。

家族の帰還。

その後家族三人は福井観光を大いに楽しみ、家族の楽しい思い出の1ページを作ったという、、、。

 

このブログを最後まで閲覧くださり、ありがとうございました。

 

最後に。

この道を必死で切り拓いて踏みしめてきた人達と、この道にアスファルトを敷いてくれた人達。そしてこの道に対して、尊崇と感謝の意を表します。

 

ありがとうございました。

 

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