こんにちは!
まるちゃんです。
今回はみんな大好き!酷道界のアイドル!「ヨサク」こと、国道439を紹介したいと思います。
四国の山間部は、439に限らずどんな酷道であろうと人のぬくもりが感じられる。冷や汗をかきながら酷道を延々走っても、その酷道沿いに人が住んでいない、、方がまれだ。
山の上に集落が存在する事がまれ、、ではない。「みんなよくあんな山の高いところに住んでるなぁ」むしろそんな風景の方が多い。平な土地が、決定的にないんだ。
とてもじゃないがある程度の覚悟をもたなきゃ、あの山の中腹にある集落を訪ねる気にはならない。何故なら遠目にみても、必ずしもガードレールが完備されてないのが分かるから。ガードレールが完備されてない急稜なつづら折りは、あらかじめ分かってて挑むとなると恐ろしい。なぜ彼らはそんな山の中腹に住んでいるのか?
先祖代々受け継がれた土地がそこにあるから、そこに住んでいるのだろう。
源氏に敗れた平家が落ちのびた地域という話は聞いた事がある。詳しくは分からないけど、もしそうだとしたら。この現代においても、原動付車両でも道をトレースするのが厳しい地域だ。徒歩の源氏は追ってこれなかっただろう。
この酷道沿いにはバス停がぽつぽつある。だれが利用するのか?このバス停付近の酷道沿いを走っても集落はなかったが、目に入らなかっただけなのかもしれない。人が住んでいる、この近くに。
ちなみに、この道(国道193)を下ると国道439(438)の神山地区、この時点での通行止め区間の入り口に至る。バス停の裏に見えるあきらかにやばい雰囲気の道は国道439に至る迂回路だが、この時点では通行止め。この道を登ると国道193で美馬市に至るが、その道中は地獄だ。そんな八方ふさがりのこの地域にバス停があるのは、八方ふさがりだからこそか。
この道はどんなに酷だろうとも、生活道路。バス亭に止まるバスは、ここに住む人にとって命綱なのか。
四国の酷道は、大型車両規制がないのか?少なくとも、そういった1度もそういった警告文は見なかった。普通の酷道は、車幅〇〇以上、車両〇〇トン以上走行不可!とかなってるんだけれども。四国の酷道においては、もうガンガンにバスやトラックと対面する!
四国の山道の全編が酷道かつ、同時に生活道路だからだろうか?
幅員が狭いとかそんな事は関係ない。その先に生活を営む方がいる以上、車両規制してる場合ではない。
四国の山道を走って感じたのは、439に限らず大抵が酷道であり、同時にその道を命綱としてる方々がいる生活道路なんだって思った。
勇者の旅立ちはここから。
徳島市の徳島本町交差点。439の起点だが青看板に439の影すらない。国道界においては若い番号が偉い。右折すると重複してるとは言え、それは439ではなく、192だ。
439はここより剣山の山頂の438との分岐まで一切「439」である事を主張できない。国道192が長兄、重複する438が次男、さらに重複する439は三男。弟は兄に対してもの申す事ができぬ。国道界のヒエラルキーとはそういうものだ。
?国道438が通行止め?
しくじり勇者、、。
実は勇者としては今回、(珍しく)万全に439の通行規制を調べてここまで来た。439の通行止めは、京柱峠の起点側の登りの区間だけなはず。
だが先述した通り、439単独区間分岐点まではこの国道はあくまで438(長兄の192は序盤で438に禅譲し、どこかへ行ってしまった)だ。
つまり439の通行規制を確認するなら439だけではなく、438も確認しなければならない。ネットで確認すると、わー、438の神山地区が通行止めって出てるー。今更気づく勇者。
勇者は常に詰めが甘い。メタルスライムをHP1まで必死に削りながら、いつもあと一歩で逃げられちゃう。そんな感じだ。
どうしよう。政令指定都市「温泉の里 神山」にて勇者は思案する。
今回の冒険の目的は京柱峠に潜む大魔王を討伐し、闇に包まれた国道439を解放するのが目的だ。だが、京柱峠の山頂へ向かうには神山地区の通行止め区間と、京柱峠の徳島側の通行止め区間を2回迂回しなければならぬ。引き返す理由には十分だ。
ここで勇者は握りしめる「ルビスの剣」から「ルビスの精霊」の声を聴く。「まだあなたのレベルでは、京柱峠の大魔王を倒すことが出来ないでしょう。修練を重ね、その後大魔王に挑むのです」
「その通りである!」勇者は激しく同意する。勇者は酷道という魔王に対し、走破して討伐するのではなく、引き返すという職務放棄願望を常に念頭に持っている。やっかいな勇者だ。
決めた!勇者は決断する!「酷道界のアイドル、ヨサクのおにぎりとのツーショット写真を撮って引き返そう!」
北関東より10時間以上かけてここまできたのだ。大魔王とは戦いたくないが、アイドルとのツーショットはゲットしたい!俗な属性を持つ勇者。
勇者の目的が魔王討伐から観光に変わった!○○城をバックに記念写真を撮りたい!その類だ。重荷がとれ、気分よく走る勇者。ヨサクのおにぎりはどこにあるんだろう?調べもしない。相変らず無計画だ。
ここで、438を進む勇者に193が突っ込んでくる!193、、なんかやばい臭いがする。193は曲者に違いない。酷道マニアの勘だが、観光を目的とする勇者は見て見ぬふりをする。
ここが438の神山地区通行止め区間の入り口。
ゲートが開いている?通れるのかな?通れるなら通った方が、ヨサクのおにぎりにたどり着けるのが早まるはずなのだけど、、、。
だが通れるとしても、すでに勇者ではない「いち」観光客にとっては覚悟を持たねばアクセルを踏む気にはならぬ光景だ。
辺りにひと気はない。
だが、通行止めの告知を背にふり返るとバス停がある。
誰かがこの辺に住んでいる。
この後いろいろ走って分かった事だが、439に限らず四国の山奥は、何でここにって所に人が住んでいる事が普通だ。そして、その人達の為に世間的に酷道と呼ばれる道をバスが走り、トラックが通る。必死にこの酷道を2車線にしよう、せめて離合出来るようにしたい。そうした思いを感じる。決して酷道マニアに面白がられる為にこの道は酷なんじゃない。必死に生活道路、インフラを切り拓いた結果がこの道なんだ。
勇者は迂回路を検索する。うーん、国道193しかないのか、、さっき突っ込んできた道だ。事前知識はないが何となく臭いんだな、酷道マニアの勘だけれども。とかぶつぶつ独り言つぶやいてると、何台か通行止め区間に車が突っ込んでゆく。通れるのか?行った車は引き返してこないし、行ってみよう。
ここで地獄の門番登場!やっぱり通行止め。ああ、そうか。さっき行った車は通行止め区間に住む住人だったのか。しかしこの門番の車、かなりヤバイ退避スペースに停車している!この門番も勇者だった。
以下、門番との会話。
門番「どこに行きなさるおつもりで?(実際は関西弁だったが、やりとりの会話を忘失したので関東弁に変換)」
勇者「えーーと、、。(ヨサクのおにぎり探してるんですけど、どこにありますか?って聞きたいけど、もちろん聞けない)」
門番「(まごまごしてると、、)剣山に行きなさるかね?」
勇者「あ、はい!(剣山って何?ヨサクのおにぎりあるの?)」
門番「ここは通行止めなので、それなら、、」
門番は超文明機器であるタブレットを取り出し、グーグルマップを見せてくれた。
門番「ならば、国道193を行ってうんぬん、、(かなりなまった関西弁だったので、聞き取れなかった)」
経路は詳しく聞き取れなかったが、これだけは覚えてる。
門番「ここー(国道193)、、は国道だしーー、、」
なんか、口ごもってる、、あやしい、、。
否!門番を信じろ!勇者は首を振り、信じるココロを取り戻す!
あのヤバイ退避スペースに車を止めてる事から鑑みるに、この門番は相当な勇者だ。多分かつて竜王ごとき4匹位討伐した経験があり、後継の勇者を導いてるに違いない。
青看板が行く先を(行く先の地名が事前に調べてないのでさっぱり分からんけど)はっきり示している。道はと言えば、急稜ではあるものの2車線。流石に100番台の国道だ。勇者の嫌な勘は杞憂であった。、、。はずだった、、。
雲行きが怪しくなる。
一瞬のうちに風景が変わる。嫌な勘はあたってしまった、、。この国道193を進むのは危険だが、酷道の常。旋回できるスペースが全くない。もし旋回して引き返すなら、画像のようなガードレールがない区間がチャンスだ。流れ出る冷や汗と引き換えに旋回出来るかもしれない。進むしかない、、。
酷道の中腹に集落がある。これが四国の山道の常。国道が酷道であり、かつ命綱である生活道路なのが四国の山道の常。
ダイニングメッセージのように、中央に経路案内が書かれている。右が町道、左が国道であると、、。もちろん右の町道の方が立派であり、国道をトレースしようと右折する者が多いから故のダイニングメッセージなのだろう。
この国道は完全にラスボスだ。傾斜がきつい、幅員がきつい、自然由来のハザード満載の、酷道要素のオンパレード。マジ半端ない。
倉羅峠。
「いち」観光客の元勇者は峠を超えることに安堵はするが、どんどん目的であるヨサクのおにぎりから離れてゆくことに焦りを禁じ得ない。いつになったらヨサクのおにぎりに会えるのか?迂回してる途中なので仕方がないのだが。
平和。
無事峠を下り、美馬市のコンビニで元勇者は平和を満喫。
だがヨサクのおにぎりとツーショットをとるという目的は曲げる訳にはいかぬ。早くヨサクと合流せねば。実は峠の麓で検索すると県道250号がヨサクと合流するのに最短なのだが、ヤバイ線形を見てスルーする。四国の山の中の国道があの有様だ。県道なんて通ろうもんなら命掛けに違いない。元勇者は国道492を通り、大きく迂回してヨサクに合流し、おにぎりを目指す。
国道492を進むが、やっぱりここも「ダメ」だった。四国の山道は国道とか県道とか、道の肩書にかかわらず全部ダメ。元勇者は確信する。四国の道をディスってるんじゃないよ。ダメってのは、通るならあらかじめある程度の警戒を持って通らなきゃダメってこと。
ダメだけど四国の山道に共通してるのは、必ずその酷道沿いには集落がある。この区間の国道492は、幅員が狭く離合困難な道が大半だけども、しばらくすると2車線になる。そこにある集落の為か、もうガンガンにトラックやバスが通るので、その離合の為にもあるのだろう。だが、2車線は必ず1.2車線の酷道に戻る。この区間はその連続だ。
青看板を見るにこのまま行けば神山地区、剣山へ行くとなっている。地獄の門番との会話を省みるに、あの通行止め区間の終点かつ剣山への起点へたどり着くはずだ。左折はさっきスルーした県道250への分岐らしい。やばい臭いがプンプンするが、案外高規格県道だったりして。
神山地区の通行止め区間の西側の終点に来た!右折すると剣山へ。青看板にはその道は438とある。もちろん、438と439は重複している。438をトレースすれば、439のおにぎりに出会えるはず!剣山が何だかは知らぬが、行くしかない。
あやしい雨雲と、幅員減少の警告標識、そして倒壊家屋が元勇者を歓迎してくれてる。
当然こうなる。ガードレール代わりの木の本数を増やしてほしい。
四国の峠は、標高はそうでもない。ただどの峠も、いきなりゼロベースで登りはじめる感がある。つまり徐々に登ってくのではなく、いきなり登りはじめるから、標高は低くてもきつい感がある。
やばい。さっきの雨雲がガンガンに攻撃を仕掛けてくる!魔王軍がガンガンにうってくる攻撃呪文マヒャドに対し、元勇者はマホカンタ(ワイパー)をくり出し、必死に応戦!
トンネルを抜けるとそこは峠の山頂であった、、。ヨサクのおにぎりを求め続けて三千里、中ボス「剣山」を元勇者は討伐!ゼロベースから一気に登る峠はきつかった。元勇者は回想する。エピローグへ、、。
否!元勇者の目的はヨサクのおにぎりとのツーショット写真を撮る事だ!どこだ!?ヨサク!!!
あてはないが、とりあえず峠を下ろ、、あ。
ヨサクがあらわれた!ついに!
青看板を凝視するに、今まで438と439の重複区間だったのが、左折すると439の単独区間になる!つまり、兄貴の438からの439の独立宣言だ!
初めてのヨサクのおにぎり!ツーショット写真を撮りたいが、ここは剣山の下りのピークだ。登りの勇者が来たら危険故に断念。
わーい😃いち観光客として元勇者ははしゃぐ!ついにヨサクとのツーショット写真をゲット!いや、待て。いち酷道マニアが北関東からはるばる四国まで来て、やばい峠と道を涙目で攻略して、結果なんとなくこの安全地帯上のツーショット写真では府に落ちぬ、元勇者はこだわる。
だが仕方ない、もう十分だ(もう十分怖い思いもした)。さあ、帰ろう!エピローグへ、、。そこに、ルビスの剣からルビスの精霊の声が。「よくぞ倉羅峠、剣山の魔王を討伐しました。さあ、京柱峠に潜む大魔王を倒すのです!今のあなたにはそれが出来るはずです」
「マジかよ!?」勇者は叫ぶ!上司の言ってる事がさっきと違う。しまった、、。ふたつの峠を攻略し、レベルアップしてしまったが故、四国最凶の京柱峠を攻略できると上司に認められてしまった。勇者を導くルビスの精霊は、勇者に仕事をあっせんしてる上司にあたる。指示を拒否すればぶん殴られるパワハラ上司だ。行くしかない、、。
京柱峠へ行く途中、人が倒れてる光景が!いかん!熱中症か!?勇者は駆け寄り、声をかけるが返事がない、、。ただのしかばねのようだ。
いや、かかしだった。しかし道路沿いにあるのに身なりがきれいだ。メンテが頻繁に行われてるはずだ。
京柱峠の大魔王に挑む勇者に、かかしからの黄色い声援が!ありがとう!
この平和を守らねばならぬ。勇者は大魔王、京柱峠を討伐する気持ちを改めて誓う。
うーん。、さすが京柱峠。入り口からしてまずい。そもそも、こっち側からは通行止めなはず。とりあえず行くか。
四国の峠の常道。幅員が狭まっては、ほんの1部区間広がるの繰り返し。そして、トラックやバスとのエンカウント。運良く2車線区間でエンカウントすればいいが、ほとんどが1.2車線区間なのにみんな離合はどうしてるのだろう?一子相伝の離合究極奥義みたいのが存在するはずだ。
鋭角な180度切り返しターン。ここで勇者はさっきのこころ残りが解消される風景に出会う。
ダブルヨサクとのツーショット!勇者感涙!北関東から四国へ来た苦労が報われた!
気分よく走る勇者に強烈に立ちはだかるATフィールド!通行止め告知看板!もちろん分かってはいたが、迂回路があるのか。行くしかない。
走ってる時は分からなかったが、冒頭に言った「みんなよくあんな山の高いところに住んでるなぁ」と思ってた所に向かって登ってる。峠の山頂までもうすぐってとこに集落があるのが、四国の山道の常。正直厳しいのが、人の気配があるのは安心出来るんだけど大半ガードレールはない。転げ落ちたら助からないつづら折りが続く。ガードレール替わりの木々もない。酷道と呼ばれてる大半の道よりよっぽど危険だ。
退くならば完全にガードレールがないとこでトラックにエンカウント!バックして道を譲ろうとしたが、本気で転げ落ちかねない。バックスペースがギリギリでまごまごしてると、トラックが逆にそのスペースに進み、道を譲ってくれた。だが一歩間違えればトラックが転落する。道を譲ってくれたので本当に感謝してるが、これが離合究極奥義。いち酷道マニアの運転技術と、この道をなりわいとしてる方の運転技術は比較にならない。すごい。
まずいって。落ちたら死ぬ。本気でまずい。さっきのトラックはここを普通に走ってきたの?
道路陥没。もうだめ。この前に分岐点があったが、右折が迂回路だったのかなぁ?でも、もう行こうって気にならない。
勇者は勇気ある撤退。県道32号で迂回し、逆から大魔王の討伐を試みる。四国の山道に入り込んでから、初めてのちゃんとした道だった。
行くしかない。平和を取り戻すのだ。
道中は言わずもがなだ。
京柱峠においては、ガードレールがあると「マジかよ!ありがとう!」と思う。ガードレールがないことが基本なので、あるとびっくりするんだ。
こっち側からの京柱峠の中腹にも集落がある。とにかくどんな厳しい峠であろうと、そこには人が住んでいる。それが四国の山道の常。
「安全運転を心がけて」電光掲示板の注意喚起。確かに、ガードレールもない峠道をどうやったら安全運転できるのか?とツッコミたい気持ちはある。だが、この酷い道は全力のインフラの結果だ。その中で地元の方々の対向車に注意しつつ安全運転を心がけるのが、特によそ者の酷道マニアには必須のココロだ。
ぬ。ゼロヨンか!?望むところだ。
わくわくしてアクセル踏んだが、、現実に引き戻される。
希望がない。
キター!ガードレール!と思って、ギアを下げ、気持ちよくつづら折りを登る。
気持ち良く登った後の風景。
ガードレールなんてものはない。
希望がない。
希望がない。集落を抜けると本当に希望がない。ガードレールって本当にありがたい。ないんだ、ここ。
勇者は決死の覚悟でルビスの剣を振り、モンスターを駆逐し、ついに峠の山頂にさしかかる。そこに大魔王が真の姿を現し登場!
もう一歩で京柱峠の山頂だというのに、なんと、トラックとエンカウント!
どうする?コマンド?
今こそ四国に来てから得た経験値を全力でぶつける!そう、離合究極奥義をはなつ時だ!
だが大魔王はなんとメガンテを唱え、勇者もろとも道ずれにするつもりだ!
勇者は全mpを使い離合究極奥義を発動!大魔王のメガンテを回避!
峠の山頂が見えてきた!
全mpを使い、hp1。でも京柱峠の山頂に勇者は立つ。
大魔王は息絶える。ヨサクに平和が戻った。
エンドロールへ。
フィナーレ。
勇者の帰還。
このブログを閲覧くださりありがとう!
最後に。
この道を必死で切り拓いて、踏みしめてきた人達と、この道にアスファルトを敷いてくれた人達。そして、この道に対して、尊崇と感謝の意を表します。
ありがとうございました。