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[国道425号 龍神ー十津川区間 ]ガードレールは身支度を整え出て行ってしまったが、我々には奈良交通がある。[和歌山県の酷道]

こんちゃん!まるちゃんです。

今回のぼうけんのしょは、日本最凶と言う意見も多い国道425龍神ー十津川区間です。

そもそも日々活発な言論が噴出してしている酷道界隈(笑)において、だいたい国道425自体が日本最凶と言われることが多い。その中でも龍神ー十津川区間がもう、、アレ、、うんそう、、と言われている。

 

そもそも、何故この区間が最凶と言われるのか理由を考えてみると。

①ヤバすぎ!国道157の「落ちたら死ぬ区間」は極悪で有名だが、それが全編に渡って続く!もちろん全く無いわけじゃないけど、体感ではガードレール設置率 龍神側1~2割、十津川側3~4割位。

②長すぎ!酷道走行は緊張の連続で、落ちたら死ぬ区間ならなおさらだ。が、この区間は大体45km位(実走行時間1時間半位)!人間の集中力は45分位と言うが、、とても体力と集中力が持たない。

③落石多すぎ!もちろん、ここでいう落石というのは、除去不可能、通行不可能になるといった「隕石」ではなく、乗り上げたら超えられる程度の落石。そう言うと地味に聞こえるが、これってとんでもないハザードだ。幅員が狭くてガードレールがない道で落石があると、ただでさえハンドル操作次第じゃアレなのに、そこでさらに落石を避けるための余計なハンドル操作が必要なわけで、、。乗り上げたら、それはそれでパンクの危険性が、、。

まあ、あげていったらきりがない!

間違いないのは、日本最凶に恥じない酷道だと言うこと。勇者はこの区間を走り終え、センターラインのある道を走りながら酷道走行で初めて泣いた。「自分で自分を褒めてあげたい」、、と(実話)。そんな素敵な酷道。

勇者の旅立ちはここから。

国道371との交点。

多くは語るまい。ものすごいオーラを感じる。

勇者はこのオーラに抗えず、近くの道の駅「龍神」に寄ったり、また突入を試みてここに来たり、また道の駅に寄ったり。突入の決意が固まるまで、1時間半ほどこの辺をうろうろした。(実話)

青看板以外にもそこら中に幅員減少の警告。

これを見て勇者はびびっては道の駅に引き返し、意を決して来てはこれを見て引き返し、、一定の警告効果があることは勇者自身が検証済みだ(笑)。

425に限った話ではないが、何故そこまでの警告を行うほど酷い状態にもかかわらず、廃道や国道降格にならないのだろうか?

日本というのは、山の中に1人でも住民が居ればそれを見捨てない。ましてやこの区間の十津川側には、酷道沿いにいくつも集落がある。何か自然災害が起こりインフラが寸断された場合、この和歌山の奥深い山の中には代替インフラが全くない。たとえ龍神ー十津川区間の日常の移動には使えなくても、いざという時の重要な代替インフラになるのだ。

そもそも山の中の1人の住民たりとも見捨てない日本のインフラ理念と言えば、その代表格はあの奈良交通であろ、、、。そんなことを延々と妄想していたら、まだ集落内のはずなのにきわどい道が。

勇者は黙り込む。

 

うーん。

先ほどの371の交点の時にくらった警告以来2度目の警告。

「最近主流のセキュリティ2段階認証みたいなもんか?(笑)」

勇者は冗談をいってみたものの、声が震えている。

この先、魔物がいないはずがない。

サイドポールくらい、曲がってるのを元に戻しておいてくれないだろうか?

怖いんだが。

 

勇者(ガン〇ムファン)「やってやる、、やってやるぞ!」

勇者は意を決し、突入を決意する!

 

「責任者を呼んでくれたまえ」

幅員1.2車線に加えて白線のすぐ脇がえぐれ、その先は奈落の底という光景を見て、勇者は震えた声でボソッとつぶやく!

ここは勇者を擁護せねばなるまい。無理もない。突入してから15秒程でこのありさまなのだ。とても客人を迎える態度(?)ではない!

「責任者を呼べ!」

勇者は叫ぶ!

こんなヤバイ区間も、酷道を走る以上いくつかあるのはまだ理解できる。

でも、、、

ずっとやん!

出たよ!酷道あるある。「落ちたら死ぬ退避スペース」!

だが、この5分程度の道中を経て無理だと思ったらここで旋回すべきだ。

これも酷道あるあるなのだが、しばらくこんな道を進むと引き返したくてももう来た道中を怖くて引き返せなくなる。もう1回あの道を通る位なら、先に進んだ方がましと思えてくる。進むも地獄、引き返すも地獄ってやつだ。

奈落の底にあった小又川とやっと平行して走れるようになったと思ったら、、

まさかのダート!!!!

この勇者にとって、全くもって望まぬ熱い展開!

完全かつ、最終的、不可逆的にに迷惑な展開!

この道の企画、脚本、演出は一体誰なのだろうか?

もはや1.2車線すらキープ出来なくなってきた幅員。

ガードレールは身支度を整え、どこかへ出て行ってしまった。

路肩崩壊の修復のあとだろうか?だが、容赦なく落ちることが可能だ。

日本語がおかしいのは分かっているが、なんか表現のしようがなくて。

もはや1.2車線すらキープ出来なくなってきた幅員。

あ、さっき言ったっけ?

もうエンドレス。

希望がない。

加えてさらに勾配がきつくなってきた!

もう酷道として最終形態、完全体のセルのごとくなってきた、、その時!

牛廻越。

十津川温泉まで31kmという青看板は心が折れるため、見なかったことにする。

しかし、素直な感想として素晴らしい峠だと思う。

なんか特にここがって言うところがないのが、勇者好みの峠。

うまく言えないが、冷や汗をかいて走ってきてたどりついた旅人に派手さのない歓迎をしてくれるというか、、、。「お疲れ様、。この先も気をつけて」って。

龍神村と十津川村の村境であることが、ここが峠である証だ。

 

普段の展開ならばここでエンドロールを迎えるところだが、残念ながら先ほどの青看板にあった通り、十津川の中心まで30kmあまり。今までの酷道最終形態かつ完全体な道が緩和されることに期待しよう、、。再び勇者は重たい気持ちでクラッチをつなぐ。

 

容赦なんてものはない。

しかしここで勇者に希望の光が!!!

なんと、通学路の標識が!!!

集落がある!?

勇者は大興奮だ。

だが、廃屋だらけのようだが、、。

あとから調べたところ、ここはかつてあった集落「湯之野」なのかなぁ?(間違ってるかも)ただ、かつてであろうが何であろうが、日本は人が1人でも住んでいる場所へのインフラはあきらめない。つまり、道の状況は好転するはずだ。

ほらね!

勇者は顔を引きつらせる。

しばらくすると、今度こそ人の気配のする集落が!

そしてしばらく進むと、、

ここが、「天空の車庫」。

「天空の車庫」とは何か?解説せねばなるまい。

が、勇者も詳しくは知らない(笑)。

そう。ここはかの有名な、酷道走行の特殊訓練を受けた小集団と言われる「奈良交通十津川営業所」が委託業務を受けている十津川村営バスの車庫であり、最終輪転所なのだ。

車庫であったのはかつてであったらしいが、言うまでもなくこの酷道においてバスが旋回する場所があろうはずがない。その旋回スペースなのだ。

ここで駐車、または旋回する、、、「奈良交通十津川営業所」のドライバーさんの偉大さがわかるだろう。ちなみにバックスペースにはガードレールはなく、車輪止めがあるだけ。

残念ながら勇者には駐車写真がないので、こちらのサイト様を参照していただきたい。

天空の車庫の駐車写真を見ると、ある事に気づかされる。この国道425 龍神ー十津川区間において、全てのドライバーがこうした「際」を走っている。そこにガードレールも駒止もない、車輪止めレベルの隆起もない「際」を走行していることを。

だからこそ、酷道に挑む者は皆勇者だと思うのだ。

(その「際」が怖いので、勇者は思いっきり逆側に寄ってます。)

公衆便所!

何故こんなところにあるのかと思ったら。

このすぐ先に、奈良交通のこの区間の最終停留所「迫西川」がある。

1日2回?予約必要?

酷ラリさんだったら即答だろうが、ごめんね。勇者は妄想しか特技がないんだ。

こうした道を村営バスは集落の人々のために登っては下りてゆく。

十津川区間においても道はあまりにも酷なのに、まさにリスペクトを表したい。

センターラインだと!ふざけるな!(うれしい)。最後にセンターラインを見たのはいくばく前だったろうか。勇者は感慨にふける。

郵便局なんて、、、。

「生きてるってなんて素晴らしいんだ!」

勇者は見る光景が日常過ぎて、感動しすぎて叫ぶ!

叫んだのは「責任者を呼べ!」以来だったか。

ついに奈良交通との邂逅!がんばれ!奈良交通!

あまりに長く、厳しい勇者の戦いがついに終焉をむかえる。

エンドロールへ。

フィナーレ。

勇者の帰還。

 

このブログを最後まで閲覧くださりありがとうございました。

 

最後に。

この道を必死で切り拓いて踏みしめてきた人達と、この道にアスファルトを敷いてくれた人達。そしてこの道に対して、尊崇と感謝の意を表します。

 

ありがとうございました。

 

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